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風疹の大流行
医学翻訳、薬事申請翻訳、看護翻訳、介護翻訳、医療翻訳担当のY.O.です。
連日報道されているように、例年にないペースで風疹(rubella/German measles)が大流行しています。
風疹は、「三日はしか」という名前でも知られています。2~3週間の潜伏期間(phase of meditation)の後、軽い風邪のような初期症状(initial symptoms)から始まり、特徴的な発疹(rash)や発熱(fever)などの症状に移行する病気です。中には、感染しても症状がみられない無症候性感染もあるようです。一般に、一度かかると免疫ができて二度とかからない病気と認識されていますが、過去にかかっていても時間の経過によって免疫が低下し、再感染することもあるそうです。
風疹による影響の中でも特に懸念されるのは、妊娠初期の妊婦(pregnant woman)が風疹ウィルスに感染した場合に胎児に生じる先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome:CRS)です。そのため、妊娠初期の方は、極力人混みを避けたりマスクを着用したりして、特に感染しないよう注意が必要です。
一番効果的な予防策は風疹の予防接種(vaccination)ですが、予防接種に関する法律の変遷に伴い、世代によって、予防接種を一回受けた人、二回受けた人、または一度も受けていない人がいるようです。自分が予防接種を受けたかどうか定かでない場合や、過去に風疹と診断されたことがあるものの、現時点での免疫の状態が不明な場合は、内科などで血液検査による風疹抗体価検査を受けることができます。症状のみで「風疹」と診断されることも多く、実は風疹ではなかったというケースもあるようです。私も子供の頃に二回「風疹」と診断を受けたと親から聞いており、また、中学生の時に予防接種も一回受けていますが、気になったので検査をしてもらったことがあります。抗体価(antibody titer)が一定の値より低い場合は、抗体がないか不十分であるということになり、その時点で妊娠していない人であれば予防接種を受けるという選択肢があります。現在妊娠中の方は風疹の予防接種を受けることはできませんが、これから妊娠を望まれる方はもちろんのこと、その周囲の方々が予防接種を受けておくことで、先天性風疹症候群のリスクを下げることができます。予防接種後一定の期間は妊娠を控えなければいけないなどの条件もありますので、予防接種を受ける際は予め詳細を十分に確認しましょう。
今回の大流行を受け、一部の自治体では特定の集団(一定の年齢の夫婦など)に対して予防接種費用の補助を始めたようです。予防接種を検討している場合は、お住まいの地域の自治体や医療機関に問い合わせてみてはいかがでしょうか。