臨床心理士の資格を有した翻訳家が対応するので安心!!

高橋翻訳事務所

心理学に関する翻訳

心理学認知心理、異常心理、発達心理、社会心理、神経心理、法廷心理など 、 心理学 全般に関する翻訳を承ります。また、心理学に 医学、教育、哲学、統計、薬学など が関わるような文章にも対応が可能です。また、「APAスタイル」に従った校正のご依頼もお受けできます。
心理学の専門用語に注意して翻訳することはもちろん、ご指定があればアメリカ心理学協会が定める「APAスタイル(American Psychological Association Style)」で仕上げることも可能です。
ピリオドの後は1半角スペース等、細かい点を順守し、引用文献の正しい書き方などにも注意して校正できます。例えば学術雑誌などへの出版を考えている方のお手伝いができればと思っております。
また、スペイン語から日本語への翻訳も行っておりますのでお気軽にご相談ください。



内野心理学担当翻訳者より

現役の臨床心理博士として米国で活動する傍ら、翻訳活動をしております。心理学研究 博士論文を英語、スペイン語、日本語を含めて書き英語で出版した経験、また7年の英語とスペイン語での臨床と心理検査の経験を生かし、正確でわかりやすい翻訳をお届けします。(内野)
→内野が担当するコラムはこちら

過去の翻訳例

  • 夢についての論文(日本語→英語)
  • 心理学研究の参加同意書(英語→日本語、英語→スペイン語)
  • 文化変容尺度(英語→日本語、英語→スペイン語)
  • 絵画統覚テスト、主題統覚検査 (Thematic Apperception Test, TAT) の生データ (日本語→英語、スペイン語→英語)
  • 結婚についての文献(英語→日本語、英語→スペイン語)
  • 親子交流療法についての資料( 英語→日本語、英語→スペイン語)

心理学

People in midlife may realize they are at least halfway through life, which may have lead Carl G. Jung to call age 40 the “noon of life” (Yalom,1980,p.172).

一般的な訳文

中年の人々は人生の少なくとも半分を過ごしたと思うかも知れず、それがカ−ル・G・ユングが40歳を人生の正午と呼ぶ由縁になった可能性がある。(ヤーロム、1980年、172ページ)。

問題点

  • “noon of life” は二重引用符 “ ” の中に入っている。この著書の172ページにある言葉を直接引用したことが示されている。そのため日本語訳でもかぎかっこ「 」などで囲い、直接の引用であることを示す必要がある。他者の著作権の侵害をしないためにこの文章の著者が特に気をつけて付けた二重引用符であるため、訳す時にもそれを残すべきである。
  • 引用文献はアルファベットでそのまま引用することになっている。

適切でわかりやすい翻訳

中年期、人生の少なくとも半分をすでに生きてしまったと思うかもしれない。それがカ−ル・G・ユングが40歳を「人生の正午」と呼ぶ由縁になった可能性がある(Yalom,1980,p.172)。

Separation is a process of increasing psychological distance from others such as the primary caretaker (Mahler, Pine, & Bergman, 1975) by achieving “an intra - psychic sense of separateness”(St.Clair,2004,p.88).

一般的な訳文

離脱とは、「超能力者内の離脱意識」を達成することにより起きる、主な介護者などの他人からの心理的距離を増加する過程である(Mahler,Pine,&Bergman,1975;St.Clair,2004,p.88)。

問題点

  • ここで使われている “Separation” は、専門用語としての「分離」が適切。愛着(attachment)形成の過程の一部である分離・個体化(separation-individuation)の一面に当たる。
  • “Intra-psychic”とは、一人の人間の内面での色々な心理的な過程を指す。“Interpersonal”(対人関係)、つまり他者との関わりの中で生まれる外的な交流に対する内的な過程。“Psychic”には「超能力者」という意味もあるがここでは誤訳。
  • “Primary caretaker”とは両親など身近にいる主要な保護者を指す。愛着理論は母子の情緒的交流の研究から始まったが、後に父親、祖父母、里親など他の保護者との愛着の研究も行われた。よって、子どもが愛着を発達する対象である他者を総括して“primary caretaker”がよく使われる。「介護者」は誤訳。
  • 二つの引用文献(Mahler,Pine,&Bergman,1975)と(St.Clair,2004,p.88)は別々に記すべきだ。心理学的距離は(Mahler,Pine,&Bergman,1975)に、「内面世界での分離」は(St.Clair,2004,p.88)に書いてある。

適切でわかりやすい翻訳

分離とは、「内面世界での分離」を達成することによって(St.Clair,2004,p.88)主要な保護者などからの心理的距離を増やす過程を指す(Mahler,Pine,&Bergman,1975)。

This process is life-long; individuals separate-individuate from various people, such as parents, romantic partners, children, and self in all the life cycles(Colarusso,1997).

一般的な訳文

この過程は生涯のものである。個体は様々な人々、両親、恋愛提携者、子供、そして自己から全ての生活サイクルで離脱、個性化をする(Colarusso,1997)。

問題点

  • “Romantic partner”は恋愛の相手、つまり彼、彼女といった人や、配偶者を指す。同性愛、異性愛、また結婚の有無や交際の内容に関わらず、全ての恋愛に関する対象を含む言葉である。
  • “Life cycle”は人生の発達の周期を指し、日本語では片仮名でそのまま「ライフサイクル」と訳されることもある。
  • 心理学では「子供」を「子ども」と表記する習慣

適切でわかりやすい翻訳

このプロセスは一生涯に渡るものである。つまり両親、(交際相手や配偶者などの)恋愛相手、子ども、そして自己からの分離・個体化はライフサイクルを通して起きるものである(Colarusso,1997)。

引用文献の書き方

出版社:McGraw-Hill
出版場所:Boston,MA
出版した年:1995
本の名前:Advanced social psychology
本全体の著者:Abrahum Tesser
チャプターの名前:Self and identity:An introduction(51ページから91ページ)
チャプターの著者:Roy F.Baumeister
直接引用した用語が載っているページ:63ページ

よくある表記間違い

Abrahum Tesser , Advanced Social Psychology (page. 63) “self and identity, an introduction”
(1995)

問題点

APAスタイルに従っていない。正確な書き方は、まず始めにチャプターの著者、ファーストネームとミドルネームはラストネームの後、イニシャルのみを載せる。その後かっこの中に出版年、ピリオド。半角スペース。その後チャプターの名前、ピリオド。半角スペース。その後“In”本全体の著者の名前(ここではファーストネームのイニシャルがラストネームの前に来る)そして(Ed.)と書き、イタリック体で本の題名を書く。その後チャプター全体のページ数をかっこの中に書き、ピリオド。出版した場所、コロン、出版社ピリオド。ちなみに直接引用したページは文中で(Baumeister,1995,p.63)のように表示。

APAスタイルに従った書き方

Baumeister, R. F. (1995). Self and identity: An introduction. In A. Tesser (Ed.) Advanced social psychology (pp. 51-98). Boston, MA: McGraw-Hill.