教育システムや教育用語、カリキュラムなど教育に関わる様々な翻訳を専門の翻訳者が対応しております。



通信・情報技術に関する翻訳

教育 教育に関する翻訳は、日本と英語圏の教育システム(Education system)や価値観Valuesの違い、学校組織(School organization)などに留意する必要があります。教育課程(Curriculum)やシラバス(Syllabus)の内容なども、教育用語(Educational terms)らしく、かつ、それぞれの特徴をつかめるような訳語を選びます。教育という分野は、言い切り型の強い表現よりも、望ましい人間像という目標に沿ってどのように近づけるかという、希望的観測に基づいた表現になりますので注意が必要です。特に、日本語においては、現在導入されつつある新教育指導要領 (New Guidelines for Teaching) にも見られるような、独特の表現や言いまわしを適切に用います。

教育に関する文書といっても、学校要項やカリキュラムガイド、入学オリエンテーション資料や論文など、それぞれが特色ある分野別となります。たとえば、学校要覧や要項の校種としましても、大学や大学院の学部であれば、医学部・理工学部・経済学部・文学部・社会学部などの各学部、または、医療・看護・介護・機械工学・コンピューター(IT)の専門学校などがありますので、教科名や指導目標など、それぞれの専門用語を教育的に訳する必要があります。また、国際教育機関の場合は、名称や評価方法の違いなども、微妙なニュアンスを訳出します。

また、学習指導要領に提唱される「生きる力」も、直訳すると、Power to liveですが、これでは、「体力などの身体的な力」なのか、「生活のための電力」なのか、意味が確定できません。精神的なニュアンスとしては、Strength to live through one's life、または、その学習活動に沿って、他人との関わりを通しての「生きる力を育てるグループ活動」でしたら、Group Activities for the Development of Student's Ability to Relate to and Interact with Othersのように、あえて「生きる力」を訳出しない方が自然であることもあります。

文部科学省のHPにも紹介されている国際教育機関の国際バカロレアIBは、世界約2500大学で通用する大学入学資格を付与する教育プログラムであり、その指導法は、生きる力につながる新しい教育として注目されています。現在の認定校は世界142か国・約3470校で、全国の私学やインターナショナルスクールなど24校で実施され、今後5年間で200校になるよう日本の高校に導入を推進しています。ただ単に受身で学習するのではなく、その学習指導目標(Teaching guideline)、学習者像(Learner's profile)、カリキュラム(Curriculum)、評価方法(Evaluation)、教科外活動(Extracurricular curriculum)などは、問題意識を持って自主的に取り組み、多角的な視点から考える力を養成する学習課程です。しかし、英語が原語となっていますので、たとえば、10の学習者像にある中では、Principled(信念のある人)、Risk-takers( 挑戦する人)、Reflective(振り返りのできる人)というように、学習者の能力としてふさわしく意訳的に訳してあったり、ディプロマDiploma取得のための教科外活動の中核となる セオリー・オブ・ナリッジ(Theory of Knowledge: TOK)を、文部科学省では直訳した「知の理論」という訳語を用いずにTOKと呼ぶなど、言語の壁をなくすように工夫して対応しています。ニュアンスの異なる和製英語を新たに創るより、たしかに、英語の原語を活かした呼び方をしたほうがよい場合もあるでしょう。こういった用語についても、クライアントとの相談で一つずつ確認しながら翻訳を進めます。

最近問題となっている「いじめ」については、英語では児童生徒などの若い世代においてはBullying、大人においては日本でもセクシャル・ハラスメントなどと使われているHarassment で、相手の肉体的・身体的な苦痛を見て楽しむことを目的として行われる様々な行為とされますが、インターネットなども多用される時代ですので、本人としてどこまでを意図し、また、結果としてそれが相手にどういう影響を与えたかという点では、誰にどこまで責任を追及すべきかも難しいところです。軽いものではTeasing がありますが、笑いを交えた、冗談や社交のためにからかうという場合が多く、悪意のあるものはいけないとされるべきですが、その判断も本人の意識と相手の受け止め方で幅がありますので、いじめに発展する前段階のものと言えます。ネットいじめ(Cyberbullying)やサイバーストーカー(Cyberstalker) 、エレクトロニック・ハラスメント(Electronic harassment)は、顔の見えない、また、法規制の網目もくぐり抜ける犯罪として深刻化しており、アメリカでは法規制が進んでいる州もあります。そういった社会問題についても、定義の微妙な差異も使い分け、最新の用語で対応します。

より高度な知識への導きと、その到達度を適切に評価するなかで、具体的な結果よりも、それに至るまでの過程や姿勢・精神性が重視される教育の分野について、随時世界の教育情勢にアンテナを張り巡らし、最新で分かりやすく、かつ、適正な翻訳ができるように努力しております。
 


天野教育翻訳担当者より

日本の高校での英語教育経験を活かし、教育関係の翻訳を担当させていただいております。教育用語や独特な言い回しにも細心の注意を払い、学ぶ喜びと知識欲を高めつつ、学校組織としての適切な在り方を提示し、一方では教育の世界に必要とされる適切な評価や、冷静で確かな客観性を打ちたてられるような翻訳を目指しています。(天野)
→天野が担当する教育コラムはこちら


過去の翻訳例

  • 大学や大学院の学校案内・要項・カリキュラムガイド 日→英 
  • 入学オリエンテーション資料 日→英
  • 留学生のための高校・大学の学校案内・要項・オリエンテーションガイド 日→英
  • 海外の日本語教師野専門学校の学校案内・要項 日→英
  • 海外の日本の介護士専門学校の学校案内・要項 日→英
  • 国際教育機関の指導要領 英→日 
  • 教育に関する論文 日→英 
  • 少子化がもたらす子供の性質変化
  • 子供のストレスと現代社会
  • いじめと不登校の原因 対策と展望
  • 子供の権利保障 少年法の現実
  • 児童虐待と現代
  • 特殊教育 国際的視野と日本
  • 命の教育の教育効果
  • 充実した学級経営
  • 世界の教科書の比較文化論
  • 教育のIT化 日本と世界
  • 小学校における英語教育 異文化理解推進 
  • 中学校の語彙と発音指導 
  • 高校教育 英語教育の現状と展望
  • ALTとのティーム・ティーチングにおける日本人教員の役割
  • 社会科教育研究 国際化プロジェクト
  • 日本と世界の教育 理数系の強化教育 
  • 教科別統計に見る日本の教育 世界との比較
  • グループ学習とゲーム化
  • 分析能力を高める授業
  • 教育の国際化についての一考察 
  • 子供農村漁村交流 現状と課題
  • 社会と言語 日本の言語の変遷
  • ジェンダーと性格形成に学ぶ教育論 
  • アニメに見るクールジャパンと教育効果
  • 日本語教育とアニメ文化 感情表現と語彙
  • 話者の立場から見る日本語教育 丁寧語と尊敬語
  • 現代の特殊学校 日本と世界の比較
  • 発達の変容 食文化と世界

MSN産経ニュースより

原文

TOSS(1万人の教師の研究団体)は、毎年4月に、全国1千会場で教え方セミナーを実施している。過去11年間で数十万人の教師が参加をした。教育系大学では、「授業のやり方」「子供の統率」などを教えない。

一般的な訳

TOSS, The Research Organization of 10,000 Teachers, holds seminars of “how to teach” at 1,000 locations throughout Japan in April every year. Hundreds of thousands of teachers attended to the seminar over the past 11 years. Universities of Education do not teach “How to Teach the Class”, “The Leadership of Children” and so on.

改善点

「研究団体」とありますが、The Research Organization では、何の組織であるのか漠然としており、英語ではTechnologyやMedical などがResearch Center の前に来るのが一般的ですので、Educationalを補い、The Educational Research Organizationとします。時を表す「毎年4月に」は、in April every year ではなく、毎年恒例の意味をこめて、annually in Aprilとします。「数十万人の教師が参加をした」は、学術的な表現にするため、主語をHundreds and thousands of teachers とせず、The total number of participants とします。「教育系大学では・・・教えない」は、大学を主語にせず、教科名を主語にし文を歯切れのよいものとします。また、より専門的な語彙を選び、直訳的な表現を避け、「授業のやり方」は、How to Teach ではなく教授法Teaching Methods とし、 「子供の統率」はThe Leadership of Childrenではなく、授業中の意味合いを深めるためHow to Lead the Classとします。「教育系大学では」の部分も、ただ単にUniversities of Educationではなく、通常のプログラムではという意味合いを補い、in the standard curriculum of Universities' Education programsとします。

適切で分かりやすい翻訳

TOSS, The Educational Research Organization of 10,000 Teachers, holds teaching methods seminars at 1,000 locations throughout Japan annually in April. The total number of participants is hundreds of thousands over the past 11 years. Subjects such as “Teaching Methods”, “How to Lead the Class” etc. are not taught in the standard curriculum of Universities' Education programs.

国際教育機関 国際バカロレア IB

原文

The IB Diploma Programme (DP) is an academically challenging and balanced programme of education with final examinations that prepares students, aged 16 to 19, for success at university and life beyond. It has been designed to address the intellectual, social, emotional and physical well-being of students.

一般的な訳

IBディプロマ取得プログラムは、16歳から19歳までの学生を大学とその後の人生の成功のために準備する最終試験とともに、学術的にやりがいがありバランスの取れた教育プログラムです。それは、知的、社会的、感情的、また身体的に健全な生徒を目指すことを意図されてきました。

改善点

自然な日本語となるよう、with 以下の部分を、「・・・最終試験とともに」のようにeducationの前に修飾的に訳さず、一度区切ってから「その最終試験は」とします。また、life beyond は、ただ単に「その後の人生」ではなく、「それに続く人生」とし、preparesは「準備」より、人生に呼応した「備え」という語を選びます。intellectual 以下は、すべての形容詞を列挙するのではなく、「知的」ではなく「知的に」というように助詞の「に」を補い、emotional and physical を「心身ともに」とまとめ、すべての形容詞が「健全な生徒を育成する」にかかるようにします。designed は、「意図される」では教育的な意味が弱いので、「考案・計画されています」とします。

適切で分かりやすい翻訳

IBディプロマ取得プログラムは、学術的にやりがいがあり、バランスの取れた教育課程で、その最終試験は、16歳から19歳までの生徒の大学生活とそれに続く人生を成功へ導くための備えとなるものです。知的に、社会的に、そして心身ともに健全な生徒を育成するように考案・計画されています。

原文

コミュニケーション能力を身につけることは、言語学習の第一の目標です。尊敬と相互理解とは、コミュニケーションによるものですので、感じたこと、考えたことを的確に伝え、相手の意図を的確に受け止め、互いの文化・習慣を知ることが大切なのです。

一般的な訳

Acquiring the ability of communications is the first purpose of learning languages. As respect and mutual understanding arise from communication, it is important to tell what you felt and thought correctly, to accept intensions of the person you talk to precisely, and to know cultures and customs of each other.

改善点

「コミュニケーション能力」は、直訳的な the ability of communications ではなく、より専門的なcommunications skills とします。日本語の語順のまま「〜によるものですので」という理由を先に訳さず、自然な英語になるように、後でbecauseを用いて理由を述べます。「第一の目標」は、the first purpose ではなく、より学術的にthe primary purposeとします。「〜ことが大切なのです」の部分は、It... thatの形にせず、具体的な3つの事柄の内容を主語とします。「感じたこと、考えたことを的確に伝え」は、tell what you felt and thought correctly は直訳的ですので、accurate communications of feelings and thoughts とし、「相手の意図を適切に受け止め」は、accept the intensions of the person you talk to precisely ではなく、英語では不自然な「相手の」に当たる部分を省き、シンプルにaccepting intensions preciselyとし、同じ理由で「互いの文化・習慣を知る」はknow cultures and customs of each other ではなく、knowing cultures and customs とします。

適切で分かりやすい翻訳

Acquiring communications skills is the primary purpose of learning languages. Accurate communications of feelings and thoughts, accepting intensions precisely, and knowing cultures and customs are important because respect and mutual understanding arise from communication.

ジョン・ホプキンス大学 モントゴメリーキャンパス

原文

This innovative and entrepreneurial 54-credit program transforms the classic business degree based on Johns Hopkins' renowned strengths of critical thinking, innovation, and leadership.

一般的な訳

この革新的で企業家的な54単位のプログラムは、ジョン・ホプキンスの有名な強みである批判的思考、革新、そして統率力に基づき、古典的なビジネスの学位を変える。

改善点

「54単位のプログラム」は、より自然な日本語となるよう「54単位からなる」とします。classic business degree は、「古典的なビジネスの学位」ではなく、日本語としてマイナスの意味に聞こえないように「伝統的な」とし、renowned strengthは直訳的に「有名な強み」とせず、「広く知られた長所」と訳します。critical thinking, innovation, and leadershipは、「批判的思考、革新、そして統率力」とすると、堅い印象を与えますので、日本でもよく使われているものについてはカタカナにし、「クリティカル・シンキング、イノベーション、そしてリーダーシップ」のように、学校紹介として新しくて親しみやすい表現を選びます。

適切で分かりやすい翻訳

この革新的で企業家的な54単位からなるプログラムは、ジョン・ホプキンスの広く知られた長所であるクリティカル・シンキング、イノベーション、そしてリーダーシップに基づき、伝統的なビジネスの学位を変革するものである。