翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/01/11
徹底的に改良されてつくられた2種類のニワトリ

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

ニワトリはキジ目キジ科に属する鳥です。今から約5000年前に東南アジアやインドで暮らしていた農耕民族が野鶏から家禽化したと考えられています。ミトコンドリアDNAの解析から、インドネシア半島に生息していた赤色野鶏が全世界のニワトリの祖先であると言われています。

ニワトリは長い時間をかけて人間によって改良されてきたので、非常に多くの品種が存在しますが、卵を産ませるためのレイヤーと、肉を食べるためのブロイラー(broiler)の二つに大別することができます。

卵を産むニワトリの代表は、単冠白色レグホーン種というニワトリです。イタリアが原産のこのニワトリは、おもにアメリカやイギリスで、産卵に適したニワトリになるよう徹底的に改良が進められ、世界を代表するレイヤーとなりました。レグホーン種のメスは生後約150日で卵を産み始め、最初の年は250個もの卵を産みます。巣をつくって子孫を残す習性はなく、卵を温めたり、ヒナを育てることもしません。また、食べたエサの量の約50%が卵になるというから驚きです。改良によって、人間のために産卵する能力が高められているのです。

卵を産まなくなったニワトリは業者に引き渡され処分されます。これを廃鶏といいます。廃鶏になったニワトリは、ミートボールやソーセージなどの原料や、ペットフードの原料になります。流用されずにそのまま土に埋められることもあるようです。

生まれて3ヶ月未満の肉用の若鶏のことをブロイラーといいます。ブロイラーはわずか14日で卵からふ化します。成長も早く、生まれたときに約40グラムの体重が、1ヶ月で1キログラムを超えます。小型のものは生後49日で、大型のものは生後55〜59日で出荷されます。

ニワトリはもともと強い消化器官を持ち、エサに含まれる栄養を効率よく消化吸収することができます。その能力を徹底的に高められたニワトリがブロイラーといってもよいでしょう。

ブロイラーは肉付きがしっかりして大きく、レイヤーは細身のからだの中に卵をつくる内臓が縦長に収めされ、恥骨幅が広く卵を産むのに最適なからだつきになっています。ニワトリは用途に合わせて徹底的に改良された家禽なのです。


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