翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2012/04/23
森の中のゼロエミッションを目指す

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

現在日本各地で松くい虫などの病害虫や鹿、熊などの野生動物による森林被害が非常に大きな問題としてクローズアップされています。それらの被害から森林を守るために国や自治体などが、さまざまな防除方法について研究し、いろいろ試行錯誤を繰り返しながら対策を講じてきました。その甲斐もあって一定の効果が現れてきましたが、その目的を達成することと同時に、「森林と野生動物との共存」あるいは「森の中のゼロエミッション」といった新しいコンセプトが、これらの世代には最も大切であると認識されるようになってきました。

近年、このようなニーズにマッチするような商品開発が、生分解性という環境に負荷を与えない機能をもったグリーンプラを利用することで進められています。

薫蒸シートは、松くい虫などの病害虫を駆除する目的で使用され、植林苗保護用シートは、植栽木の幼木を鹿や熊などの食害から守り、成育を助ける目的で使用されています。これらの製品は、従来より主に塩化ビニル樹脂(vinyl chloride resin)やポリプロピレン(polypropylene)といった本質的に生分解しない材料から作られ使用されています。これらのシートを使用することで、その効果は実証されていますが、いつまでも分解しないために野ざらしにされていることが多く、森林の景観を損ねたり、たとえ使用後に回収されても紫外線で劣化しているため、埋め立てるか焼却処分するしかないといった問題も抱えていることも事実です。

これらの問題点を克服することを目的として、グリーンプラを利用した商品開発が行われ、現場での試験も進み始めました。生分解性の機能確認と同時に、それらの製品に求められる性能や機能を保持しているかどうかの確認も重要となります。その結果、十分に使用可能との結論となり、全国の被害地での採用実績が増え始めてきました。


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