翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2011/12/19
結石について

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

「尿管結石(ureteral calculus)で入院したことがある」などという声を身近で聞くことはないでしょうか。自分がそうだったという人もいるかもしれません。それくらい多いのが、この結石です。

結石ができやすい場所は、胆のう(gallbladder)と腎臓(kidney)です。胆のうは肝臓(liver)の下側にあって胆汁(bile)をためるための袋です。胆汁はコレステロールなどから作られる一種の消化液で、脂肪を水に溶けやすくするなどの作用を持っています。ところが、この胆汁を濃縮するのが胆のうの仕事であるため、宿命的に塊ができやすくなってしまいます。それが胆のう結石といわれるものです。

胆石(cholelith)の過半数はコレステロールが固まってできたものです。詳しい原因はわかっていませんが、できやすい条件として「中年以降」「女性」「肥満」などを挙げることができます。暴飲暴食やストレスが発症のきっかけとなることもあり、生活習慣が大いに関わっていることは容易に想像できるところです。医学界で収集された人間ドックなどのデータによれば、成人100人に5〜10人の割合で胆石が見つかるとされています。

通常、結石が胆のうにとどまっている間は特に問題ありませんが、その先にある胆管(bile duct)に詰まると、突然の激しい痛み、吐き気(nausea)、嘔吐(vomitus)などの症状を呈することになります。痛みは右肩のほうに走る傾向があり、胆石症の特徴的な症状となっています。胆石の大きさが1.5センチメートル以下で、さらにコレステロールでできたものであれば、飲み薬で溶かすという治療法もあります。

結石ができやすいもう一つの場所が腎臓と、それに続く尿管です。原因は不明ですが、カルシウム、シュウ酸(oxalic acid)や尿酸(uric acid)などの尿の成分であるミネラルが固まってできます。青年から中年にかけての男性に多いのが特徴です。頻度は100人に4〜5人といわれていますから相当な割合です。ちなみにシュウ酸はホウレン草、バナナなどに多く含まれます。

症状は胆石に似ていて、腎臓でできた結石が尿管に詰まると、突然の激しい痛みとなります。時には腎臓の内部に長くとどまり、症状がないまま巨大な結石に成長することもあります。


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