翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2011/11/21
生活習慣病の元凶

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

私たちの健康と食事は切っても切れない関係にあります。多くの細胞で作られている体は絶えず新陳代謝(metabolism)を繰り返しています。これを維持し、活動するエネルギーを生み出す根源は毎日の食事です。

日本人の平均摂取カロリーは2847キロカロリーです。皆さんもご存知のように大量に食事し、多くのカロリーを摂取すればそれだけ元気で健康になれるというものではありません。健康を保つ上で基本となる栄養素(nutrient)をバランスよく取ることが大切です。実際、糖尿病(diabetes)や高血圧(hypertension)といった生活習慣病(lifesyle-related illnesses)などは日常の食生活(eating habits)の偏りが大きく影響しているといわれています。

生活習慣病と深い関わりがあるのが活性酸素(reactive oxygen species)です。活性酸素は体の防御機能として重要な役割をもつ反面、余剰に発生すると、癌(cancer)や動脈硬化(arteriosclerosis)、白内障(cataract)、糖尿病、心筋梗塞(myocardial infarction)などを引き起こす危険性があります。ヒトの体はとても上手にできていて、活性酸素の暴走をくい止め、無害化する酵素をもっています。それがSOD(スーパーオキシドジスムターゼ:superoxide dismutase)という抗酸化酵素(antioxidant enzyme)です。しかし、体内で大量に活性酸素が発生すると体内で作られるSODだけでは消去しきれなくなります。また、老化とともにSODが作られなくなったり、あるいは作られても活性酸素の暴走を抑えられなくなります。

活性酸素を抑える有効な方法はカロリー制限です。たくさん食べればそれによって酸素がたくさん使われ、活性酸素の発生も増加するからです。また、ストレスも活性酸素の大きな発生源です。バランスの取れた適量の食事を摂り、ストレスは適度な運動で発散させるというライフスタイルが健康の源になるといっていいでしょう。

SODのように活性酸素の攻撃から身を守る物質をスカベンジャー(遊離基捕捉剤:scavenger)といいますが、スカベンジャーの中には外から補給することで効果を生むものがあります。

例えば、ビタミンC(アスコルビン酸:ascorbic acid)やE(トコフェロール:tocopherol)、βカロチン(β-carotene)などです。これらは食品から摂取できますが、不足しがちな栄養成分を補うために栄養補助食品(サプリメント)を利用することが考えられます。現在サプリメントはあくまでも栄養補助の一翼を担う存在ですが、バイオ技術が進展すれば、新しいタイプのサプリメントが開発される可能性があります。


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