翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2011/11/14
新種の発見につい

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

「新種(new species)の生物発見」というと、ロマンに満ちています。とても難しいように思われますが、実際にはあまり詳しく調べられていない生き物がいくつもあり、それらの生き物を専門家が調べると、意外と簡単に新種が見つかるのです。専門家でなくても新種を見つけること自体はさほど難しいことではありません。

難しいのは見つけた種が新種かどうかを判断することです。ハンドブックに載っていないからといって新種だと決めることはできませんし、たとえ大きな図鑑(illustrated reference book)を使ったとしても、載っている種類はごく一部です。

もし、新種だと思われるものを見つけて、それを新種だと判定した学術論文を書くには、まず、新種と思われる種の近縁種(related species)の記載論文をすべて集め、見つけた種がこれまでの論文に載っていないことを確認しなければなりません。

論文を集めるといってもそう簡単なことではありません。まず、どのような近縁種があるのかを調べるだけでも大変です。そして、記載論文を一つずつ集めなければなりません。中には100年以上前に書かれ、日本では手に入らない論文もあります。集めた論文には中国語やハンガリー語(Hungarian)などさまざまな言語で書かれた論文もあり、それらを読むのも一苦労です。

近縁種のどの論文にも自分が採集した種が載っていないことを確認して、はじめて新種として論文に記載することができます。ちょっと大変な作業ですが、みなさんも新種発見に挑戦してみてはいかがでしょうか。


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