翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/05/01
量子論的な説明と交換相互作用

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

マグネットから発生する磁気力は、簡単に説明すると、その物質の電子状態(electronic state)から発生するもので、これには電子スピン(electronic spin)が関係しています。電子スピンとは電子殻(electronic shell)に存在する電子が自転している状態のことです。

磁性の元は電子の自転にあると考えられており、電子は原子核(nucleus)の周りの軌道を回っていますが、電子自身も自転しているので、この電子の自転によって流れる電子流の回転方向に対応して、磁力が発生するのです。これは有名な右ねじの法則です。

常磁性体では、回転方向が右回りと左回りの二つの電子がペアになっているのでスピンによって生じる磁力がお互いに打ち消され、磁石としての性質を持ちません。これが量子論的な説明です。

これに対してもう一つの理論は、交換相互作用と言われるもので、これは全ての原子が独立してスピン磁石を有し、その原資の間に一定の規則があると仮定することで、強磁性、常磁性、反磁性の3種類の磁性体の違いを説明するものです。つまり、磁性を示す物質は内部の原子の間でお互いにスピン磁石の磁極をそろえるように相互作用がはたらき、また反磁性を示す物質は内部の原子の間で一番近い原子間でスピン磁石が逆になるという総合作用が働くというものです。


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