翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」

高橋翻訳事務所

分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/04/08
警察官の必殺技候補「テラヘルツ波」

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

ニューヨーク市警察は、隠された銃器を電磁波(electromagnetic wave)で透視できる装置の開発を行っていると発表しました。軍ではなく警察でこのような開発が行われていることに驚きです。SF映画にでてきそうなこの装置が実際に誕生すれば、金属物を遠方からでも探知できるようになります。

この特殊装置が測定するテラヘルツ波(terahertz wave)は、電磁波の一種でその周波数(frequency)が1THz程度であり、紙や木、プラチック、衣類などを透過するものの、金属や水は透過しません。半導体発信器による発振が2008年に成功して以来、実用に向けた開発が盛んになっています。

箱型のこの装置を警察車両内に設置しておけば、対象者に感づかれることなく銃器保持の状況を知ることができます。ニューヨーク市警は職質と身体検査をめちゃくちゃ強化していますが、この装置を実用すれば人権侵害と訴えらえることも少なくなるかもしれません。

今後も試験を重ねていく必要があるそうですが、実用化された際にはニューヨークの犯罪多発地区よりもアフガニスタンなどで活躍しそうですね。


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