翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/02/20
総合肺機能検査システム

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

肺活量(breathing capacity)は、年齢、性別、身長などによって異なるため、通常は予測式で補正した値を利用します。その補正値をパーセント肺活量といいます。

パーセント肺活量のほかに、1秒率という値も重要です。肺活量の測定では必ずしも急いで深呼吸する必要はありませんが、1秒率では、大きく息を吸った後、できるだけ早く一気に吐き出さなければなりません。この値を努力性肺活量と言い、最初の1秒間に吐き出せた量の割合が1秒率です。

通常はパーセント肺活量と1秒率を一緒に測定して、病気の判定に利用しています。パーセント肺活量だけが低下していれば、肺全体の用量が減少していることになり、たとえば肺線維症(lung fibrosis)などの病気が考えられます。一方、1秒率だけが低下していれば、空気の通り道が狭くなっていることになり、喘息(asthma)や肺気腫(pneumonectasia)などが考えられます。ちなみに、パーセント肺活量は80%以上、1秒率は70%以上がそれぞれ正常です。

肺の機能を表す指標は、肺活量だけではありません。精一杯息を吐き出しても、肺の中にはなお空気が残っています。この値を残基量と言い、ヘリウム、窒素など無害なガスを吸って肺の中にどれくらい残るかを計って判定します。もし、残基量が著しく減少しているようであれば、病気のために肺の弾力性が失われ、伸びきった風船のようになっていると考えられます。


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