翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

分子生物学・バイオ技術・環境コラム一覧へ戻る

2011/05/09
翻訳会社(タンパク質合成場)の開始暗号と終止暗号

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

mRNAの5'-AUG-3'という遺伝暗号は、メチオニンというアミノ酸の暗号ですが、同時に、とくに翻訳の開始コドンとして働きます。mRNAの塩基配列を5'末端から追いかけて行って、最初に出てきたAUGが翻訳の開始コドンとして働く。つまり、タンパク質は種類によってアミノ酸配列がみんな違うわけですが、どのタンパク質も最初のアミノ酸は必ずメチオニンであるということになります。なお、mRNAの塩基配列を追いかけて行って次に出てきたAUGは、単にメチオニンに対応するだけです。

最初のアミノ酸が決まれば、次の3つの塩基(コドン)、その次の3つの塩基(コドン)というように、次々にアミノ酸が決められていきます。終止コドンには3種類ありますが、翻訳が進んで行って終止コドンのところに来ると、終止コドンには対応するアミノ酸がないので、翻訳会社はそこで生産を中止します。開始コドンから終止コドンまでの間を、翻訳領域といいます。

アミノ酸は3つの塩基で決められるので、アミノ酸が400個つながったタンパク質なら、DNAの1,200塩基配列、mRNA上の1,200塩基配列に由来することになります。この場合、DNA全体の中の1,200塩基配列の範囲がこのタンパク質の遺伝子で、mRNAの1,200塩基配列の範囲がコード領域になります。


分子生物学・バイオ技術・環境コラム一覧へ戻る