翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/01/29
糖尿病とその治療薬:スルホニルウレア系、ビグアナイド系

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

糖尿病は糖代謝の異常によって起こるとされる病気で、放置しておくと視力低下や失明、腎障害、末しょう神経障害などを引き起こして、生活していく上で辛い状況を作り出します。糖尿病の治療には合併症を予防したり、病気の進展を食い止めたりするために、経口薬や注射薬など、いろいろな方法で血糖をコントロールする薬がたくさん用いられています。
スルホニルウレア系(sulfonyl urea):ランゲルハウス島のβ細胞に作用し、インスリンの分泌に関連のある細胞内のカルシウムイオンを増やして、インスリン分泌を促進させます。
ビグアナイド系(biguanide):糖新生(gluconeogenesis)と糖吸収を抑制し、インスリンの反応性を良くしてブドウ糖の取り込みを促進させます。
αグリコシダーゼ阻害薬:諸島と同じ二糖類のような形をしているので、食前に服用するとαグリコシダーゼと薬が結び付く結果、ブドウ糖の産生を遅らせることができます。
アルドース還元酵素:ソルビトール(sorbitol)の生成に関与しているアルドース還元酵素の働きを抑えることで、神経障害の進行を抑えると考えられています。
インクレチンのうちGLP-1をアナログ化した製剤が登場しました。注射薬のリラグルチドです。GLP-1の構造の一部を変更して、長時間作用するようにしたものです。この薬はGLP-1受容体を刺激してインスリンの分泌を促します。また、β細胞の機能改善作用についても検討されています。
糖尿病と診断されると、早く血糖値を下げなければと考える人も少なくないと思います。しかし、いくつかの点で気をつけなければ逆効果になることもあるので、よい投薬ができるように心掛ける必要があります。


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