翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」



分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/01/24
爆薬を爆発させる仕組み

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

燃焼のうち、燃焼面の進行速度が速いものを爆発といい、特に音速を超える場合を爆轟といいます。爆轟は衝撃波(shock wave)を伴うことになります。水素や都市ガスをバーナーから出しながら燃やしている場合には、ガスと空気中の酸素の混合に時間がかかるので、燃焼面の進行が抑えられ安定した炎となって燃え続けます。ところがあらかじめガスと空気を混合してから火をつけると、燃焼面の進行速度が速くなり音速を超えるので爆発します。爆発は、ガスばかりでなく、液体の蒸気、固体の紛体でも起こるので非常に危険です。

爆薬は爆発力を上手に活用した化学薬品です。爆薬は酸化剤と可燃物を組み合わせ、あらかじめよく混合してつくります。爆薬を構成するC、H、Nを炭酸ガス、水、窒素ガスにするだけの酸素があらかじめ爆薬に含まれているかどうかは、爆薬の重要な指標です。

火薬類は火薬類取締法で製造、販売、貯蔵、消費のすべてにわたって厳しく規制されています。この法律では、推進力を得るためのものを火薬(ロケット推進薬など)、破壊力を得るためのものを爆薬(産業用爆発、武器用爆発など)、ある目的で加工されたものを火工品と区別しています。火工品には、雷管(detonator)、導火線(fuse)、実包(live cartridge)、花火があります。雷管は、火薬・爆薬に点火し、衝撃を与えて確実に爆発させるものです。爆発力は小さくても非常に爆発しやすい起爆薬(initial explosive)が使われています。火薬・爆薬と雷管を別にすることで爆発性物質を安全に扱えるようになりました。

ダイナマイトはニトログリセリンを木粉などと混合し成形したものです。その他に硝酸アンモニウム(ammonium nitrate)を主成分とする硝安爆薬、過塩素酸塩(perchlorate)を主成分とするカーリット、硝安に軽油(light oil)を混合した硝安油剤(ANFO:ammonium nitrate fuel oil)、硝酸塩などに水を含ませた含水爆薬(スラリー爆薬、エマルション爆薬)などがあります。現在日本ではほとんどANFOが使われ、次に含水爆薬が使われています。

また、自動車衝突時に運転者や同業者を守るためにエアバックが付けられていますが、このエアバックを瞬時に膨張させるために火薬類が使われています。


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