翻訳家によるコラム「教育コラム」



教育コラム

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2013/12/06
日本の“ゆとり教育”脱出とアメリカの教育システムの違いとは??

こんにちは、教育分野翻訳担当の天野です。

日本では、ゆとりの教育(Pressure-free education)を経て、学校週6日制の導入が始まりつつあります。現在、日本の学校教育は、アジア圏の国々の進出にあおられるように、再び、知識の詰め込み教育(Cramming)に遡っているかのようです。
放課後も進学のための塾に通う子供も多いようです。一方、アメリカでは、もちろん教育熱心で、グループ活動やペアワーク、プロジェクト(総合学習的な自己研究課題)などを多用し、その学年の指導内容以上の語彙力・学力を身につけさせるといった学校が主流です。

また、独自の開発された教育プログラム(Teaching program)を導入したり、教科書を用いず、プリントだけで授業を進めたりする学校もあります。その背景には、それぞれの公立学校の評価が毎年標準テストで計られ、HPに1から10までの数値が学校評価として公表されており(Great Schools というHPがよく使われます。)、その学校評価に基づいて住民がよりよい学区に住居を定めるといった学校・教育環境の選択方法もあるかもしれませんが、土曜日も学校に・・・と言った声は聞いたことがありません。

一因として、大学入試の基準が、年に数回受けられ、最も成績がよかった回の点数を報告する形の全国学力テストであるSATの結果のみならず、課外活動や人物評価を重視するというところにあるのではないでしょうか。学力だけではなく、スポーツや音楽などの特技があるかどうか、積極的にボランティアなどの活動をしてきたかという点も、一流大学などでは特にしっかり評価されますので、放課後も週末も、スポーツの試合や習い事で、子供も親も(送迎は大体親が車でしますので)忙しいのが現状です。

平日や土曜日に親の母国語の学校に通っている子供も多く、また、学校によっては、公立小学校でも午前・午後などに区分されたイマージョン・プログラム(Immersion program)を通して、ネイティブの先生による授業で外国語を学ぶこともでき、2ヶ国語のみならず3〜4ヶ国語を身につけるということも可能です。しかし、放課後も塾に通って、週末も必死に知識を詰め込むといった風ではなく、週5日で効率よく学べるように整えられた、学校組織としてのカリキュラムも含めたシステム力があるような気がします。もちろん、平日は宿題が多くて大変という側面もありますが、それは週末を有効に活かした学校以外での教育の機会のための努力と受け止め、真摯に取り組む姿が見られます。日本の教育も、効率的なシステム改革が進むことを願います。


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