翻訳家によるコラム「広告英語・英語キャッチコピーコラム」

高橋翻訳事務所

広告英語・英語キャッチコピーコラム

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2011/02/07
「対象」にあたる英語について (2/2)
ビジネス全般翻訳、アート翻訳担当のコールマンです。

法律に関する日本語を見てみますと、たとえば以下の日本語はどうしたらよいでしょうか。「彼は確かにスペインで犯罪を犯しましたが、フランスでもドイツでも犯罪を起こしていますので、スペインで起こした犯罪はスペインの法律だけの対象になりませんよ。」これも「applies」および「subject to」を使ってみましょう。まずは「applies」の場合は「Yes, it is true that he did commit a crime in Spain. But because he
also committed crimes in France and Germany, Spanish law is not the only law that applies to the crime he committed in Spain.」となります。「subject to」が望ましい場合、以下の英語になります。「Yes, it is true that he did commit a crime in Spain. But because he also committed crimes in France and Germany, the crime he committed in Spain is not only subject to Spanish law.」

福祉制度の場合は絶対に「covered under」で、簿記の場合は絶対に「applies to」もしくは「subject to」だということはありません。どちらかと言いますと「covered under」はその対象となる人の利益のための制度などの場合で、「subject to」は税金を納める必要がある場合や何かの法律が取られた行動や起こされた犯罪に関わる場合など、「対象」となる人の利益にならない場合が多いのです。但し、その英語の使い分けは場合により変わりますので、翻訳している分野についてインターネットで英語を少し読んでみると、大体の使い分け方が理解できると思います。たとえば、福祉制度に関する書類を翻訳している時は「welfare system」や「welfare」に「applies」、covered」、「subject to」一つ一つ加えて検索してみたら、検索の結果としてでる例文が読めます。

このように、「対象」という日本語が出てきた場合、すぐに「target」を選ぶのではなく、まずは「covered under」、「eligible for」、「applies to」 、「subject to」 という選択肢について検討してみたらいかがでしょうか。


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