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2011/01/03
米露の核軍縮について

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回はアメリカとロシアの核軍縮についてです。

アメリカとロシアの間で交渉が進められてきた新戦略兵器削減条約(新START:New Strategic Arms Reduction Treaty)の批准がアメリカ議会の上院で承認され、オバマ大統領が批准書に署名しました。ロシアも批准すると見られており、条約は近々発効する見通しとなっています。条約に基づき、両国は発効から7年以内に戦略核弾頭(strategic nuclear warheads)の配備数の上限を約30%削減し、1,550発とします。長距離ミサイルなど、核弾頭の運搬手段も配備数を700までに制限し、核施設の相互査察も行う予定です。

しかし、依然として課題も残されています。アメリカがヨーロッパへミサイル防衛(MD:Missile Defense)システムの配備を進めていることに対しロシア側は神経をとがらせており、配備を強行した場合には条約からの脱退もありうると警告しています。また、新STARTの目標を達成しても、世界には数千発の核兵器が残ります。その9割を保有するアメリカとロシアは、さらに核削減を続けなくてはなりません。条約では、実戦配備から外して備蓄に回した戦略核弾頭や威力の小さな戦術核兵器は削減の対象となっていません。オバマ大統領はこれらの核兵器の削減にも取り組む姿勢を示していますが、ロシア側の態度は未定のままです。

核兵器のない世界を実現するためには、アメリカ、ロシア両国の努力だけでは不可能です。核戦力の増強を続ける中国や、国際社会の警告を無視して核開発を行うイランや北朝鮮などに対し、積極的に関与していかなければなりません。プルトニウムや高濃縮ウランの生産を禁じるカットオフ条約(FMCT:Fissile Material Cut-off Treaty)の交渉開始や核実験全面禁止条約(CTBT:Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty)の早期発効にも全力で取り組む必要があるでしょう。


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