翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」



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2010/03/27
アメリカの医療保険制度改革

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回は、アメリカの医療保険制度改革( health insurance reform )についてです。

アメリカの下院( United States House of Representatives )本会議で、医療保険制度改革法案が 219 対 212 の賛成多数で可決され、オバマ大統領の署名( signature )を経て成立となりました。

アメリカは、先進国で唯一、国民皆保険制度( compulsory insurance system )が存在しません。無保険者の数は人口の 15% を超え、医療費( medical expense )は年間で約 200 兆円にも上り、国内総生産( GDP: Gross Domestic Product )の 16% を占めています。

法案の主な特徴は、 3,200 万人を新たに保険に加入させ、加入率を 95% に引き上げる点にあります。そのため、低所得者向けの公的医療保険の対象を拡大し、中低所得者への補助金、減税措置で保険料の負担軽減を図ります。

一方、高額保険加入世帯への課税、高齢者向け公的医療保険の支出削減など、財源やコスト削減案も盛り込まれました。今後 10 年で約 85 兆円の財政支出が予定されていますが、コスト削減などで財政赤字( fiscal deficit )は膨らまないと計算されています。しかし、保険料の負担増加を嫌う中小企業や政府の規制強化を警戒する保険業界からは強い反対が起き、民主党( Democratic Party )内からも一部の議員が反対に回りました。

今回は、グアムやインドネシア、オーストラリアへの訪問を延期して法案の可決に全力を尽くしたオバマ大統領の執念が勝った形となりましたが、共和党( Republican Party )の議員は 1 人も賛成に回らないなど、議会運営は今後も厳しさを増すことが予想される中、大統領の手腕に注目が集まります。


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