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2010/08/30
米軍のイラク撤退について

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回は米軍のイラク撤退がテーマです。

イラクに駐留する米軍は 8 月末に戦闘任務を終える予定となっており、主力の戦闘部隊( combat force )はすでに撤収しました。しかし、国民議会選挙( parliamentary election )から 5 ヶ月以上が経過した現在でもイラク政府は依然として機能しておらず、テロ( terrorism )が再び増加傾向にあります。イラクでは今年の 3 月に国民議会選挙が行われ、スンニ派( Sunni Islam )が 91 議席を獲得し、シーア派( Shia Islam )の 89 議席を上回って最大会派となりました。フセイン政権崩壊後のイラクではスンニ派は排除され、宗派抗争の要因となってきましたが、スンニ派が政権入りすることにより、宗派間での和解が進むのではないかとの期待もあります。しかし、両派は新政権の主導権争いを繰り広げており、連立交渉は依然として難航しています。

イラク駐留米軍は最大で 17 万人を超えていましたが、 8 月末には 5 万人にまで減少しました。残留する部隊の主な任務は、軍や警察などイラク治安部隊( Iraqi security force )の養成で、今後の治安維持はイラク人に引き継がれます。オバマ大統領は、イラク戦争からの「責任ある撤退( bring the war in Iraq to a responsible end )」を公約し、「必要な戦争( war of necessity )」であるアフガニスタンへの兵力移転を進めており、アメリカとイラクの協定( U.S.-Iraq Status of Forces Agreement )では、残る 5 万人の米軍も来年末に撤収することが決まっています。その一方で、治安部隊の幹部からは、「イラク治安部隊の養成には最低でも 10 年はかかる」など、米軍の駐留継続を望む声もあります。

9 月以降、アメリカはイラク治安部隊の養成に注力するとともに、今後の支援策について明確な方針を打ち出す必要があるでしょう。


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