翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」



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2010/08/16
カンボジア特別法廷について

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回のテーマはカンボジアの特別法廷( Extraordinary Chambers in the Courts of Cambodia )についてです。

1970 年代にカンボジア国内で 170 万人以上の犠牲者を出したとされるポル・ポト( Pol Pot )政権下での虐殺事件に関し、事件を担当するカンボジア特別法廷は、強制収容所の所長を務めていたカン・ケ・イウ被告に対して、禁固 35 年の有罪判決を下しました。

同収容所では約 16,000 人が拷問を受けて殺害され、元所長は国際法上の犯罪である「人道に対する罪( crime against humanity )」やカンボジア刑法の殺人、拷問罪などで有罪となりました。しかし、特別法廷は禁固 35 年の中から 11 年間の未決拘置期間と違法拘置とされた 5 年間を差し引き、実質的な服役期間は 19 年になると説明しています。また、特別法廷は 2 審制( two-tiered judicial system )のため、元所長は上訴する方針を明らかにしました。

特別法廷はカンボジアだけでなく、日本やフランスなど外国人の検事や判事も参加するという特殊な形態を取っています。裁判費用は国連( United Nations )が大半を負担していますが、その 4 割を日本が拠出しています。

フン・セン現政権が訴追の対象とした元指導者 5 名のうち、ポル・ポト政権のナンバー 2 だったヌオン・チア氏やイエン・サリ氏など、拘束されている残り 4 名の捜査はすでに終了しました。近いうちに起訴される見通しですが、 4 名とも無罪を主張し、全面的に争う姿勢を示しています。しかし、各氏とも 70 〜 80 歳代と高齢を迎えており、大量虐殺の責任を追及するためには迅速に審理を進める必要があるでしょう。

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