翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」



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2013/05/16
敷金について

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回のテーマは敷金(deposit)についてです。

敷金。賃貸住宅などにお住いの方はなじみが深いと思います。敷金とは、借主が家賃を滞納した場合、または借主の過失によって損傷した際の修繕費として使われる担保金です。賃貸不動産を契約するときに1か月から3か月分を事前に支払うのが通例となっています。

その敷金ですが、近年は返還のトラブルが増加しています。敷金は退去時に返還されることになっていますが、クロスの張り替えやクリーニング費用も敷金から差し引かれてしまい、裁判になるケースも相次いでいます。国土交通省による「原状回復(reinstatement/restitution)をめぐるトラブルとガイドライン」では、入居者の故意、または不注意や過失による毀損、汚損でなければ、入居者は修繕の負担義務(原状回復義務)はない、としています。例えば、畳の変色やフローリングの色落ち、クロスの変色は通常使用と判断されます。

契約書に原状回復や敷金の充当に関する項目があったとしても、無効になる可能性はあります。敷金の返還に関して疑問や不明な点がある場合は貸主と交渉をしたり、内容証明(content-certified mail)を送るなどして妥協点を探ることです。それでも解決しないときは、少額訴訟という方法もあります。少額訴訟は60万円以下の支払い請求について適用される裁判制度で、審理は原則的に1日で終わり、ただちに判決が出るため弁護士を依頼する必要もありません。また、控訴も不可のため1回の裁判で決着がつくのも大きなメリットです。費用もおおよそ1万円程度ですので、少額訴訟を活用することも検討してはいかがでしょうか。

東京都でも「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」を作成しており、国民生活センターなどでも相談を受け付けています。敷金は小さな金額ではありませんので、納得できる形で精算ができるよう、いろいろな機関に問い合わせてみることも重要でしょう。


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