翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」



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2013/05/02
後見制度について

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回のテーマは後見制度(guardianship system)についてです。

後見人とは、法律上で親権者のない未成年や成年被後見人の財産に関するすべての事項について法定代理人となり、財産管理や身上監護を行う人を指します。今回は成年後見制度(adult guardianship system)について取り上げます。

精神上の障害により判断能力が不十分な人は、自身が所有する不動産や預貯金などの財産を管理したり、介護サービスを受ける際の契約を結ぶことが困難な場合があります。また、判断がつかずに不利益な契約をしてしまう可能性もあります。このような人々を保護し、支援するための制度が成年後見制度です。

成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があります。まず、法定後見制度は「後見」、「保佐」、「補助」の3つに分かれており、本人の事情に応じて選択が可能です。法定後見制度は家庭裁判所に選ばれた成年後見人、保佐人、補助人が本人の利益を考えながら、代理として契約を結んだり、同意を与えたり、同意を得ないで行った法律行為を取り消したりして本人を保護、支援します。しかし、日用品を購入した場合など「日常生活に関する行為」については取り消しの対象となりません。

「保佐」制度は、融資を受けたり、不動産を売買するなど法律で定められた一定の行為について、家庭裁判所(family court)が選任した保佐人の同意を得ることが必要になります。保佐人の同意を得ないで行った行為については、本人もしくは保佐人が後から取り消すことが可能です。「補助」制度は軽度の精神的な障害を持つ人々を保護、支援するための制度です。特定の法律行為について、家庭裁判所が選任した補助人に同意権、取消権、代理権を与えることができます。いずれの場合も、「日常生活に関する行為」については同意が必要なく、取り消しの対象外となります。

成年後見人は家庭裁判所が選任しますが、本人にとってどのような保護、支援が必要かなどの事情に応じて決められます。親族以外にも専門家や公益法人なども選ばれることがあり、複数名を選ぶことも可能です。成年後見の申し立てをする人がいない場合は、各市町村に法定後見の申立権が与えられています。

今回は成年後見制度の中でも法定後見制度を取り上げましたが、次回は任意後見制度についてまとめたいと思います。


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