翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」



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2013/03/05
契約と不可抗力

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回のテーマは契約における不可抗力(force majeure)についてです。

辞典で「不可抗力」を調べると、「天災地変など、人間の力では逆らうことのできない力や事態。社会観念上、最高の注意、予防方法を講じても損害を防止できないもの」というように書かれています。契約の世界、特に海外との契約では不可抗力の条項を設けることが必須となります。英米法ではフラストレーション理論という、契約締結時には当事者が予想しなかった事態が生じ、契約の履行ができない場合には契約が消滅するという考え方がありますが、その旨を契約書に明記する必要があります。代表的な不可抗力として、

act of God/natural disaster → 天災
flood → 洪水
strikes → ストライキ
civil war → 内戦
blockades → 封鎖
insurrections/riots → 暴動
war → 戦争
epidemics → 伝染病

などがありますが、契約書を作成する場合は可能性の大小にかかわらず、起こりうる事態は記しておかなければなりません。また、「including, without limitation,」や「including, but not limited to,」を具体例の前に入れておくと、「以下を含むがそれに限定されない」という意味が含まれます。日本人にとって内戦や暴動という言葉は新聞やニュースでしかなじみがないかもしれませんが、海外との契約交渉にはこれらの点も考慮します。ちなみに、不可抗力はforce majeureと訳しますが、フランス語です。この他にも英語以外の用語が契約書には出てきますが、また別の機会にご紹介します。


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