翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」



契約書・政治経済・アート・スポーツコラム

契約書・政治経済・アート・スポーツコラム一覧へ戻る

2013/03/01
製造物責任法の役割

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回のテーマは製造物責任法(PL法: product liability law)についてです。

製造物責任法、いわゆるPL法という言葉を聞いた方は多いと思います。先進国の多くでそれぞれ制定されており、日本でも平成7年に施行されました。第1条で「製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の賠償責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」と記されているとおり、損害賠償責任について定めた法律です。製造物責任とは、製造業者の製品に欠陥があり、そのために消費者が損害を被った場合、製造業者に過失がなくてもその損害を賠償しなければならない責任のことを指します。

製造物責任という概念は1960年代のアメリカで発展し、その後1980年代にヨーロッパ各国でも法が定められました。その当時の日本では製造物責任に対して民法(civil code)を適用していましたが、消費者の保護意識の高まりから製造物責任法の整備が進められた経緯があります。

製造物責任法では、被害者が損害の発生、製品と欠陥の存在、欠陥と損害の因果関係の3つを立証することができれば、過失の有無にかかわらず、製造業者は損害賠償を負う必要があります。そこで、各企業の損害賠償額の負担を軽減するために製造物賠償責任保険(PL保険)というサービスも登場しました。特に訴訟社会のアメリカでは賠償金額が莫大になる傾向があり、「million dollar verdict」という言葉も存在するほどです。我々日本人では想像もつかない訴訟で多額の損害賠償が支払われるケースもありますので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。


契約書・政治経済・アート・スポーツコラム一覧へ戻る


ご利用の際は、必ずご利用上の注意・免責事項をお読みください。