翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」



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2011/06/25
ハーグ条約への加盟について

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回のテーマは、政府が加盟を進めているハーグ条約(Hague Convention)についてです。

国際結婚をした夫婦が離婚などをした際に子どもの親権を争うケースが相次いでいる中、政府はこのような問題を解決する国際ルールである「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約(Hague Convention on the Civil Aspects of International Child Abduction)」への加盟に向けた法整備を始めています。

ハーグ条約は、国家間の不当な児童連れ去りの防止を目的として1980年にオランダのハーグで採択され、1983年に発行した多国間条約です。現在の加入国は85ヶ国で、日本も未署名ですが、欧米諸国からは加盟を強く求められていました。

条約では、16歳未満の子どもを一方の親が無断で国外に連れ去ることを禁じており、居住国から出国した子どもの返還を親が求めた場合、加盟国は原則として協力する義務を負います。一方の親が子どもを自国へ連れ帰った結果、トラブルに発展した事例は年々増加しており、条約への加盟によって、国際的なルールの下で解決を図ることができるようになります。

しかし、条約では返還拒否の条件として、配偶者間の家庭内暴力(domestic violence)について言及していないなど、精査しなければならない課題は残されており、政府は慎重に準備を進める必要があるでしょう。


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