翻訳家によるコラム「進む“カプセル内視鏡”での検査、胃カメラの辛さから解放される!」

高橋翻訳事務所

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2010/08/04
進む“カプセル内視鏡”での検査、胃カメラの辛さから解放される!

医学翻訳、薬事申請翻訳、看護翻訳、介護翻訳、医療翻訳担当のY.O.です。

年 1 回、上部消化管の内視鏡検査( upper gastrointestinal endoscopy )、いわゆる胃カメラ( gastroscope )による検査を受けています。

胃カメラがまったく苦にならなかったという経験者もいらっしゃるようですが、嘔吐反射( vomiting reflex )が強いためか、私はこの検査が非常に苦手です。そのため、カプセル内視鏡( capsule endoscope )が開発されているという話を耳にして以来、いつか胃カメラの代わりにカプセル内視鏡で検査を受けられるのではないかと非常に期待を寄せています。

カプセル内視鏡は、内服薬のカプセルのような形状で、サイズはもう一回りほど大きめです。カメラと無線装置を内蔵しており、これを飲み込むと前進しながら消化管内を撮影し、そのデータが体外の受信機に送信されて画像が得られます。滞留などの問題がなければ、カプセルは自然排泄されます。もちろん、胃カメラと異なり、カプセル内視鏡は 1 回限りの使い捨て製品( disposable product )で、滅菌して再使用する胃カメラより感染症などのリスクは低減されると思われます。

現在開発中のカプセル内視鏡の中には、バッテリー( battery )をカプセル内に内蔵せずに体外から電波で送信できるものもあるようで、撮像の途中で内蔵バッテリーが切れて映像が途中で途絶えることなく、カプセルの小型化も可能になるかもしれません。また、この開発中のものは、体外のコントローラによってカプセルの動きや向きをコントロールできるよう設計されているそうです。

インターネットで調べた情報によると、現在日本で承認され保険適用となっているカプセル内視鏡がありますが、小腸中心の適応( indication )で、既に従来の上部消化管・大腸内視鏡検査を行ったにもかかわらず原因がわからない、原因不明の消化管出血( obscure gastrointestinal bleeding )があることなどの条件があるようです。また、クローン病( Crohn's disease )の確定診断を受けている場合などの禁忌( contraindication )もあります。

いつか、このような低侵襲な( less invasive )検査法で胃カメラの代用とすることができることを期待しています。

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