翻訳家によるコラム「医学・薬事申請コラム」

高橋翻訳事務所

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2011/09/05
加賀のゆびぬき

医学翻訳、薬事申請翻訳、看護翻訳、介護翻訳、医療翻訳担当のY.O.です。

加賀のゆびぬき

翻訳作業の進め方もいくつかのタイプに分かれるようですが、私は用語の整合性を保つためにも作業の間はほとんど休憩を入れずに一気に進めていき、後で何度も見直して調整をしていくタイプです。

その分、無事納品が終わると、ふと気分転換に何かを作りたくなります。冬場は編み物、夏場は縫い物をすることが多く、長時間手縫いをしていると指に負担がかかるため、最近はゆびぬき(thimble)を利用するようになりました。

ゆびぬきの素材は、金属、陶器、革などさまざまです。海外ではよく美しい陶器製のゆびぬきを見かけ、収集されている方も多いようです。日本の観光地などでも時々見かけますね。

これまではすべりにくくて指の動きをあまり妨げない革製のゆびぬきを使用していましたが、たまたま目にした加賀のゆびぬきの繊細な美しさに惹かれ、今回初挑戦しました。
まず、自分の指の太さに合わせて布と厚紙で土台を作ります。それに綿を巻いて厚みを出し、立体的にします。印をつけた和紙を巻いて、その印に沿って絹糸(silk thread)をかがっていくという作業です。
今回は黄色と白色の二色の絹糸を使って作成してみました。絹糸はよじれたり絡まったりしやすく、できるだけ糸継ぎの回数を減らそうと思うと長い糸を扱うことになり、適度な引き加減を意識しながらこの細かい作業を行うのは想像以上に根気が必要でした。拙いながらも進んでいくにつれて何もなかったところに模様ができあがっていくのを見るとうれしくなり、最初は無駄に力が入っていましたが慣れてくると無心にちくちくと糸をかがっていく作業が楽しくなりました。もうあと一息で完成というところまできていますが、既に次に作るゆびぬきの色や模様などを検討し始めています。

今日から9月、秋の夜長に日本の伝統的なお針仕事を楽しむのも良いかもしれません。


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